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ネットキャッシングとは?
キャッシングの受け皿
そして,このように対象となる原資産の価値等をオリジネーター企業が抱える様々なリスクから切り離して隔離してしまうために,対象原資産を,流動化の実行のために特別に用意されたビークル(SPVは“Special Purpose Vehicle”)に移すということが行われます。なお,このようにしてキャッシングの受け皿となったビークルには,金融機関や投資家から集められた資金や投資先からの収益金等もプールされることになり,前号で説明した倒産隔離が施され,また,導管性要件を備えることにより,資産の受け皿というだけでなく,スキーム全体の受け皿として機能していくことになります。
このような流動化スキームの受け皿となるべきビークルとしては,会社法上の会社(合同会社や株式会社)を用いた特別目的会社(SPCは“Special Purpose Company”)や,「資産のvに関する法律」(資産流動化法)に基づいて設立される特定目的会社(TMKは“Tokutei Mokuteki Kaisha”の略で,SPCと略称する特別目的会社と区別して用いられます),信託等が利用されます。また,不動産投資信託(J-REIT)などでは,「投資信託及び投資法人に関する法律」(投信法)に基づいて設立される投資法人がビークルとして用いられることになります。
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特定目的会社はこのように資産流動化のための専用ビークルであることから,1組織の簡素化(例えば,役員については取締役,監査役および会計参与とされ,前二者については各1名置く必要がありますが,会計参与は任意です)が図られるとともに,2資産流動化計画に従って営む資産の流動化に係る業務およびその附帯業務以外の業務を行うことはできないこととされています(他業禁止。オンラインゲーム195条)。
また,3特定資産の管理および処分に関する業務については,外部の受託会社に委託することも要求され(同法200条),さらに,4資金調達方法についても細かく規定され,既述のとおり,資産対応証券のキャッシングや特定目的借入れ等に限定されるなど,いわば,流動化に特化した「箱」に仕立てられています。
そして,このような流動化専用の箱に過ぎないことから,5特定目的会社も,法人税課税上,通常の法人として取り扱われるものの,一定の要件を充たした場合に支払配当金のネットキャッシングが認められており(租税特別措置法67条の14等),また,不動産取得税や登録免許税についても軽減措置が認められています。
なお,特定目的会社の設立方法は,株式会社の発起設立の場合とほぼ同様ですが,業務を開始するに当たっては,業務開始届出書に所定の必要書類(定款や資産流動化計画,特定資産の譲受けに係る予約等の契約書副本等)を添付して,内閣総理大臣(窓口は管轄財務局)に届け出なければなりません(資産流動化法4条)。
(3)資産流動化計画
ネットキャッシングに特徴的な事項で重要なものの一つに「資産流動化計画」があります。これは,特定目的会社が行う資産流動化に関する仕事を定めた計画のことであり(資産流動化法2条4項),TMKスキームの根幹をなすものといえます。
特定目的会社は,このネットキャッシングに従って業務を行わなければならず,上述の業務開始届出の際,添付書類として所轄の財務局に提出する必要があり,計画を変更したときもその旨の届出が必要です。なお,資産流動化計画の記載事項は,資産流動化法5条および同施行規則12〜21条に規定されています。
仕事の基本的な仕組み等について簡単に教えてください。
(1)投資法人制度とは
1 資産運用型スキーム
平成12年5月,「証券投資信託及び証券投資法人に関する法律」が「投資信託及び投資法人に関する法律」(投信法)に改正され,運用対象の資産(特定資産)が不動産等にまで拡張されました。
これによって,仕事(J-REIT)に関する法制度が整備されました。その中でも,投資法人は,「資産を主として特定資産に対する投資として運用することを目的として」,投信法に基づき設立された社団であり(投信法2条12項),投資法人制度とは,投資家から投資法人に出資された金銭を,投資法人から委託を受けた資産運用会社が特定資産に対する投資として運用する仕組みのことをいいます。
このように,投資法人制度は,前号で説明したようなオリジネーターの資金調達としての仕組みである資産流動化型スキームとは異なり,投資家から集めた資金を合同して各種資産に投資・履歴書し,それにより得られた収益を投資家に分配するという資産運用型スキームに分類されます(【図表2】参照)。
2 資金調達
履歴書は,投資口,投資法人債および借入れによって資金を調達し(逆にいえば,投資家保護等の観点から資金調達方法はこの3つに制限されます),その資金を特定資産に投資して運用します。
ア 投資口
投資法人は,「投資口」を発行して投資家から出資を募ります。投資口は,均等の割合的単位に細分化された投資法人の社員(投資主)たる地位をいい(投信法2条14項),株式会社における株式に相当します。ただ,株式と異なり,譲渡制限を付けることや履歴書のように内容の異なる投資口を発行することもできません(同法77条,78条等)。
また,投資口の引受けにかかる払込みは金銭に限定され,現物出資は許されません。なお,投資口を表示する証券を「投資証券」といい(同条15項),金融商品取引法において有価証券に指定されています(金融法品取引法2条1項11号)。
イ 投資法人債
株式会社における社債に相当し,クローズドエンド型(投資家に払戻しを行わないもの。なお,払戻しを行うタイプを「オープンエンド型」といいます)の投資法人に限って発行できます(投信法139条の2以下)。
ウ 借入れ
上記以外にも,規約(定款に相当)に定めた限度額の範囲内で通常の借入れを行うことができます(同法67条1項15号)。
(2)投資法人の特徴
1 能力制限
投資法人は,法人格を有しますが(投信法61条),特定目的会社と同様,資産を保有して収益を分配することに特化した「箱」であることから,資産運用以外の営業行為が禁止され,また,本店以外の営業所の設置や使用人の雇用も禁止されるなど(同法63条),その能力はかなり制限されています。